介護療養型医療施設とは?費用や病院との違い、医療費控除など解説

高齢者を受け入れる施設は数多くありますが、介護療養型医療施設はその中でも重要な役目を果たしています。

しかし、制度上のさまざまな問題は表面化してきてしまい、2012年からは新設が認められなくなりました。

今では、別の施設がその役割を新たに担おうとしています。

本記事では介護療養型医療施設の役割や費用、今後どのような施設に転換されていくかを詳しく解説してきます。

介護療養型医療施設とは?

介護療養型医療施設とは、医療ケアとリハビリを中心におこなう施設です。

対象となる方は比較的重度の要介護者であり、他の施設と比較すると医療的ケアが充実しているのが特徴です。

特別養護老人ホームなどは終身まで利用をおこなうことができますが、介護療養型医療施設は状態が回復してくると退去を求められる場合もあります。

基本的には終身にわたって利用できる施設ではありません。

2017年で廃止される予定でしたが、法改正により2024年までその期限が延長されています。

他の介護・医療施設との違い

介護療養型医療施設はリハビリと医療的ケアを重点においた施設です。

介護療養型医療施設は介護施設ではなく、あくまでも医療機関という位置づけです。

そのため、レクリエーションなどの活動はなく、医療機関としてのサービス提供が中心となります。

医療機関のため、医師や看護師は他の施設よりも手厚く配置されています。

病院との違い

病院との違いは提供される医療的ケアにあります。病院の場合は、状態が急変した際に手術や適切な処置を受けることができます。

しかし、介護療養型医療施設ではそのような本格的な医療的ケアは受けることはできません。

つまり、病院は急性期(急変の可能性がある)の方が利用する施設ですが、介護療養型医療施設は比較的重度でありながらも慢性期の方が利用する施設です。

病院が介護療養型医療施設を併設している場合も多く、万が一容態が悪化した時には一般病床にうつることもあります。

病院 介護療養型医療施設
急変の可能性があるような方などを対象に入院を受け入れている施設。 急性期を過ぎて、慢性期になり症状が比較的安静している方を受け入れる施設。

介護老人福祉施設との違い

介護老人福祉施設とは別名を特別養護老人ホームといいます。

介護老人福祉施設は基本的に終身にわたって入居をすることができる施設です。

しかし、介護療養型医療施設は状態が良くなれば、退去を求められることもあります。

また、介護療養型医療施設は特別養護老人ホームよりも医療的ケアが充実しているという特徴もあります。

特別養護老人ホームは医師や看護師が24時間常駐していない可能性もあるため注意が必要です。

特別養護老人ホーム 介護療養型医療施設
基本的に終身にわたって利用することができる。手厚い介護サービスもおこなわれることから、もう一つの住まいとしての機能がある。 終身にわたって利用することは基本的にできない。介護サービスもおこなわれるが、医療ケアとリハビリが中心。

介護老人保健施設との違い

介護老人保健施設と介護療養型医療施設の役割は非常に似ています。

今後、介護療養型医療施設が廃止されることに伴い、介護老人保健施設に転換されていきます。

介護老人保健施設 介護療養型医療施設
終身にわたる利用は基本的にはできません。医療ケアとリハビリを中心におこない、在宅復帰を目指す施設です。介護療養型医療施設が今後なくなるため、重要な役割を担う施設です。 終身にわたる利用は基本的にできません。医療ケアとリハビリを中心におこないます。しかし、制度上の問題が数多くあり今後、介護老人保健施設や介護医療院に転換されていきます。

入居条件

介護療養型医療施設は、今後廃止されるにともない施設数が減少しています。

そのため、現在運営されている施設に入所する場合には数か月程度の待機期間がある場合があります。

この項目ではそれを踏まえて入所条件を解説していきます。

年齢 65歳以上
介護度 要介護1~5
伝染病 治療の必要がない状態
認知症 対応可能

対象となる方は比較的重度の高齢者です。

緊急性がある疾患ではなく、急性期を過ぎ、慢性期に移行した方が入所できるケースがほとんどです。

細かな入居条件については施設によって異なる場合があるため、詳細については問い合わせる必要があります。

入居費用

介護療養型医療施設は比較的安い費用で施設を利用することができます。

初期費用もかかることなく、介護保険を利用しながら月額料金のみを支払います。

また、利用する部屋の設備や収入によっても費用が異なります。

以下にかかる費用をまとめました。

サービス費 リハビリや医療的ケアにかかる費用
住まいにかかるお金 部屋の設備や光熱費にかかる費用
食費 食事にかかる費用
その他の費用 洗濯、娯楽費など

月額費用がおおよそ9~17万円となっています。

基本的に要介護度が高い方は費用が多くかかる傾向にあります。

また、相部屋よりも個室を選択した場合にも費用は高くなります。

月額料金

参考までに要介護3の方が入所する場合の費用をご紹介します。

サービス費 約33,000円
住まいにかかるお金 約10,000円
食費 約41,000円
その他の費用 約10,000円
合計 約94,000円

※要介護3の方が相部屋を利用した際の目安費用

続いては個室を利用した際の目安費用をご紹介します。

サービス費 約33,000円
住まいにかかるお金 約59,000円
食費 約41,000円
その他の費用 約10,000円
合計 約143,000円

※要介護3の方がユニット型個室を利用した際の目安費用

よくある質問

この項目ではよくある質問をまとめました。
ご覧ください。

医療費控除の対象になる?

介護療養型医療施設にかかった費用は医療費控除の対象になります。

以下に医療費控除となる内容をまとめました。

医療費控除の対象となる費用 詳細
サービス料 介護サービスや食費、居住費などの費用が医療費控除の対象になります。
特別室などの使用料 治療を受けるために使用された個室に関しても医療費控除の対象になります。

どの程度の金額が医療費控除の対象になるかは、施設が発行する領収書に記載があります。

そのため、領収書は捨てずに保管しておきましょう。

もうすぐ廃止される?

介護療養医療型施設は2012年以降、新設されておらず、今後廃止になります。

現在ある介護療養型医療施設は2024年3月までに「介護老人保健施設」や「介護療養院」に転換されていきます。

これは保険制度上の問題や医療費高騰など、さまざまな問題が浮上してしまったことが理由です。

実は介護療養型医療施設の廃止は2011年に予定をされていました。

しかし、施設廃止後の受け入れ場所がうまく確保できず2017年に延長されたという過去があります。

そのため、今回の2024年までの延長も状況によっては再び期間が延びる可能性もあるでしょう。

廃止後に受け皿となる施設はある?

介護療養型医療施設が廃止された後は「介護老人保健施設」「介護療養院」へ転換されます。

受け入れ先もその施設になるでしょう。

以下に今後の受け入れ先となる施設の特徴をまとめました。

介護老人保健施設 基本的に終身までは利用することができず、医療ケアとリハビリを中心におこない、在宅復帰を目指す施設です。介護療養型医療施設よりも医療ケアは充実していませんが、同じような機能を持つ施設です。
介護療養院 介護療養院とは2018年に創設された新しい施設です。介護療養型医療施設廃止後の新たな受け入れ先としての役割があります。
医師が配置され、医療的ケアも充実しています。また、終身まで利用できるため、高齢者のもう一つの住まいとしての機能も果たします。相部屋であっても、家具などで仕切られているためプライバシーが守られているのも特徴です。

今後はこの2つの施設が介護療養型医療施設に代わって、高齢者を守る役割は果たしていきます。

まとめ

介護療養型医療施設は2024年を目安に廃止されてしまう施設です。

医療ケアとリハビリを中心におこない、慢性期の高齢者を中心に受け入れていました。

現在も施設は運営をおこなっていますが、その数は減少傾向にあります。

また、入所希望をした場合、費用が安く抑えられるという理由から数か月の待機時間があることも珍しくありません。

今後は「介護老人保険施設」や「介護療養院」がその役割を引き継いでいきます。

高齢者を守る施設として今後、これらの施設の需要が高まっていくでしょう。

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